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コラム 2023.3.29

京丹後市内の高校生が中心となり開催した「丹後万博2022」。地域と協力してつくり上げたSDGsの祭典に2,500人が来場

京丹後市内の府立高校4校の生徒たちが2022年10月30日、弥栄町の道の駅「丹後王国『食のみやこ』」でSDGsをテーマにしたイベント「丹後万博2022~伝統×革新~」を開催しました。2025年の大阪・関西万博を盛り上げるとともにSDGsを“自分事”として捉え、将来のまちの姿を考える機会にするのが狙いです。高校生たちはイベントをどのようにしてつくり上げ、何を考えたのでしょうか。

高校生の提案をきっかけにイベント開催を決定

人やもの、過去、現在、未来を「つながり、つなげる」というテーマで開催された「丹後万博」。きっかけは、2021年11月に開かれた市のイベント「SDGs未来都市・ゼロカーボンシティ推進フェアin京丹後」で、京都府立峰山高校の生徒が提案したアイデアでした。市は生徒たちの提案を受けて、2022年度当初予算で丹後万博の開催に向けた補助金を予算化。峰山高校、丹後緑風高校網野学舎と久美浜学舎、清新高校の4校から集まった生徒17人が中心となって実行委員会を立ち上げました。

「SDGs未来都市・ゼロカーボンシティ推進フェアin京丹後」での発表

生徒たちは地域の人たちや市の協力を得て、合同での企画調整会議や会場となる丹後王国の視察などを行いながら、イベントの内容を考えていきました。最終的には高校生による19のコンテンツのほか、地元の18企業・団体による出展を受け付けることとし、プロモーションや準備に取り組みました。

丹後万博企画調整会議の様子

海洋ごみでの作品制作、鹿肉カレーの販売など多彩な催し

イベント当日は、ファッションショーや海ごみを利用した参加型の作品制作、大きさや形が規格外の野菜や果物を活用した商品の販売、発電体験など、さまざまな催しが行われました。

峰山高校の生徒たちは、デザイナー兼アーティストの余根田直樹さんらに助言してもらいながら、丹後半島の海岸に流れ着いたプラスチックごみなどでモザイクアートを制作。来場者に海洋ごみの説明をしながら、さまざまな色や形のごみを合板に張りつけてもらい、カラフルな作品を完成させました。また別のグループは、黒田農園や和田農園、難波発酵食品と連携し、規格外のトマトでトマトケチャップ、梨でジャムを加工。ケチャップはキッチンカーに提供し、ハンバーガーやホットドッグに使われました。

丹後緑風高校網野学舎のグループは丹後エクスペリエンスの協力で、海に漂着したプラスチックごみをリサイクルしたコースターやキーホルダーなどを販売。同校久美浜学舎はアグリサイエンス科で生産した野菜などを使ったマドレーヌやクッキーを売り出しました。清新高校は、市内で課題となっている農産物への鳥獣被害に着目。鹿肉を使ったカレーを提供したのです。

高校生によるオリジナルパンの販売
アップサイクル商品の販売
地域の事業者と連携した木製プレートの作成

今後も「伝統×革新」による丹後地域の活性化を

丹後万博には、高校生や家族連れなど約2,500人が来場。丹後のコミュニティ通貨(電子地域通貨)「コッペ」を使ってコンテンツを楽しめるようにしたところ、267人が登録し、利用回数は1,079回に上りました。コッペの利用を通して新たな交流が生まれるケースもあったようです。

高校生が、地域の企業や団体の協力を得ながらつくり上げた丹後万博。実行委員会のメンバーは「今後も高校生を中心とした革新的な想像力を活かすことで持続的な丹後の未来を提示する『丹後万博』にしていきたい」とまとめています。生徒たちにとって、他校との交流はもちろん、海洋ごみや食品ロス、丹後ちりめんなど地元の産業について理解を深めるきっかけにもなりました。今後の丹後でのSDGsの理念の浸透につなげていきたいですね。

丹後万博開催実行委員会のメンバー