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学校 2023.3.29

「コロナ禍でも自分たちにできることを」地域を巻き込んで服やアルミ缶、ペットボトルキャップを回収

京丹後市立久美浜中学校はSDGsの達成に向けて、2021年度から3つの取り組みを進めています。①不要になった服を集めて難民キャンプに届ける、②アルミ缶回収による収益金で地域の高齢者福祉施設に寄付をする、③ペットボトルキャップを回収、リサイクル資源として売却した収益を、開発途上国の子どもたちへのワクチン提供などに役立ててもらうプロジェクトです。校区内の小学校やこども園・保育所などとも連携し、着実に成果を挙げています。

京丹後市立久美浜中学校の生徒ら

楽しみながら、アルミ缶やペットボトルキャップを回収

現在、SDGsについて取り組んでいることは?

①不要になった服を集めて難民キャンプに届ける「“届けよう服のチカラ”プロジェクト」、②アルミ缶回収による収益金で地域の高齢者福祉施設に寄付をする「福祉施設に笑顔を届けようプロジェクト」、③ペットボトルキャップを回収、リサイクル資源として売却した収益を認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」に送り、開発途上国の子どもたちへのワクチン提供などに役立ててもらう「“世界の子どもにワクチンを”プロジェクト」です。

SDGsについて学びながら、これらの取り組みを進めています。校内では、1人につき1台配布されているタブレット端末を活用して全校生徒に協力を呼びかけました。特に、アルミ缶やペットボトルキャップの回収については、体育祭で学年をまたいで作る縦割り集団ごとに集めた数を集計し、途中結果を放送で伝えるなどして、楽しみながら全校的に盛り上げていきました。

ペットボトルキャップの集計作業
全生徒各学級にてSDGsの取組についての説明

また全校生徒や教職員だけでなく、地域全体を巻き込んだ活動にしようと、校区の小学校やこども園・保育所にもオンラインや動画配信を通して協力をお願いしました。ポスターやチラシの作成・配布、地元の新聞社や京丹後市の広報誌、ケーブルテレビでの紹介などPRにも力を入れ、たくさんの方々に活動を知ってもらうことができています。

教科や「総合的な学習の時間」の学びと関連させた生徒会活動の展開

京丹後市の「SDGs未来都市」選定を機に取り組みを開始

SDGsについての取り組みを始めたきっかけを教えてください。

新型コロナウイルス感染症が広がり、久美浜中学校でも、学校行事の中止などさまざまな活動が長期にわたって制限されました。私たち生徒の学校活動に対するモチベーションも低迷していましたが、そんな中でも「自分たちにもできることを考えて、前進していきたい」という気持ちはありました。そして2021年5月、京丹後市が内閣府から「SDGs未来都市」に選定されたことを機に、SDGsへの関心や参画意識が高まり、3つのボランティア活動に取り組むことにしたのです。

どのようなことに気を付けて、取り組みを進めていきましたか。

まずは取り組みの意義を見失わないよう、生徒会でじっくり時間をかけてSDGsについて調べ、考えを話し合いました。そこから全校生徒に趣旨を丁寧に説明し、協力を呼びかけています。活動2年目となる2022年度の生徒会では、内容をさらに充実させたり、活動を広げたりしながら、1人ひとりが活動に参加している実感を持ち、向上心を共有できるよう話し合いを重ねました。「SDGsの達成目標は、世界が抱えている課題解決でありながら、身近な私たちの日常の課題解決でもある」という意識を大切にしながら、校区内外での連携にも積極的に取り組んでいます。

一人ひとりの生徒が呼びかけに応じ、自宅から持参

仲間や地域の方々から、数えきれないほどの「温かい気持ち」が集まった

3つの取り組みについて、これまでにどのような成果がありましたか。

当初は「本当に集まるのだろうか」という不安な気持ちも大きかったですが、校区の3小学校の児童会も積極的に参加してくれるなどして、地域の多くの方々から服やアルミ缶、ペットボトルキャップが集まりました。服は段ボール23箱分、計1648枚が集まり、達成感と感謝の気持ちでいっぱいになりました。保護者が車で大量の服を運んでくれたり、仲間が服やアルミ缶、ペットボトルキャップを持って登校してくれたりと、数えきれないほどの「温かい気持ち」を集めることができたと思っています。

「“届けよう服のチカラ”プロジェクト」で集まった1648着(枚)の服

そして、アルミ缶回収による収益で、北丹後福祉会(久美浜苑)にヘアドライヤーを、太陽福祉会(海山園)には非接触型体温計を寄贈しました。利用者や職員の皆さんから心からの感謝の気持ちを伝えられ、この取り組みの意義を再確認し、今後も継続していく元気をもらいました。

久美浜中字校の生徒をはじめ、多くの人たちからアルミ缶が集まった
アルミ缶回収による収益金で、地域の高齢者福祉施設に物品を寄贈

取り組みを通じて、気づいたことや学んだことを聞かせてください。

私たちは活動を通じて、「身近にあるものが姿を変えて誰かのためになる」ということを学びました。また、国際問題だけではなく、さまざまな解決しなければいけない問題に対する課題意識も持つことができたと感じています。「中学生でも十分に社会貢献活動に参加できるのだ」という自信もつきました。

2年間の成果を『くみちゅうSDGsミーティング2022』で発信!

令和4年11月7日に開催された『くみちゅうSDGsミーティング2022』当日の様子について聞かせてください。

最初に生徒会本部から、久美浜学園で2年間展開してきたSDGsの取組について基調報告を行い、そのあとFMたんご宮川優さんの軽快なMCに乗って、パネルディスカッションが進んでいきました。ステージ上では、ゲストの京丹後市副市長の濵健志朗様、元久美浜中学校長・同窓会顧問の松田正夫様を交えて、久美中生徒会本部とのトークバトルが繰り広げられました。また、3年総学の「久美浜にデートスポットを作って活性化を!」と主張する軍団が飛び入り参加したり、「2年総学の職場体験もすごかったぞ!」と2年生からも力強い報告があったりと、SDGs、そして自分たちやふるさと丹後の“持続可能な未来”の在り方について熱い討議が展開されました。濵さんや松田さんからは、中学生が今後さらに磨いてほしい広い視野の持ち方や、他地域の中学生とネットワークを作ることの大切さなどについて温かくそして的確なアドバイスを戴きました。そして最後に、宮川さんからは、取組と熱い想いを「続ける&広げる」ことを、『宿題』としていただきました。これまでの取組の大きな成果を確認するとともに、未来に向かっていくための強い決意の場となり、とても実りの多いひとときとなりました。

濵副市長らゲストを招いての「くみちゅうSDGsミーティング2022」の開催

中学生ならではの視点を生かし、次のステージへ

今後はどのようにして取り組みを進めていきますか。

本校の生徒会スローガンは「極(きわみ) 引き継ぐ伝統 輝く個性」です。1人ひとりの個性や人権を大切にし、これまで積み上げてきた伝統を受け継ぎながら、コロナ禍でも歩みを止めず、前進していこう、という思いが込められています。今後もSDGsについて学びを深めながら、校区内の児童や保護者、地域の皆さんたちの協力を得て、総がかりで展開できるような取り組みにしていきます。

また私たちは2022年度、市内の企業や団体が参加する「京丹後市SDGs推進市民会議」に、市内中学生の代表として選ばれました。会議では、本校の活動を紹介し、他団体の取り組みからさまざまなことを学びました。今後の会議では、京丹後市が目指すSDGs未来都市の具体的な方向性についての提言をまとめていきます。中学生ならではの視点で提言づくりに参加しながら、まだまだ気づけていない視点や、身近で見逃している改善点などを発見し、次のステージに進んでいきたいです。

オンラインによる「京丹後市SDGs推進市民会議」への参加

この記事に関する目標

  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任つかう責任