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学校 2023.4.5

「空き家に対するイメージががらりと変わった」市内の空き家の現状について探究、啓発ポスターを制作

人口減少や少子高齢化が進む中、全国的に空き家の増加が問題となっています。京丹後市も例外ではなく、市はインターネットの公式サイト「空き家情報バンク」での物件の紹介や、移住者向けの改修支援などさまざまな施策に取り組んでいます。そんな中、京都府立峰山高校の1年生4人が授業で市内の空き家の現状について調べ、空き家の活用を呼びかけるポスターを制作。生徒たちに、活動の成果や空き家について考えたことなどを聞きました。

(左から)谷口優輝さん、嵯峨根千空さん、田中伶奈さん、山本きあらさん

空き家をリノベーションした施設を見学し、理解を深める

SDGsの目標には、「11.住み続けられるまちづくりを」などの項目があります。どのようなことに取り組みましたか。

山本 高校の「総合的な探究の時間」という授業で、二学期と三学期に京丹後市内の空き家活用について調べました。2022年9月から、(自分を含めて)空き家に興味がある4人で活動を始めました。まず、京丹後市政策企画課の方に(空き家を活用するための)制度についてお話を聞かせていただきました。それから12月下旬に、建築士の大垣優太(U設計室)さんの案内で、空き家をリノベーションした施設を見学しました。

大垣優太さんの案内で空き家をリノベーションした施設を見学

活動では、最初は(空き家を)リノベーションをしようという話をしていましたが、調べていくうちにリノベーションには資金を出す人が必要だということが分かりました。そこから移住者の方が空き家に移り住んでくれたらいいのではないかという話になり、三学期に移住者の方に見てもらえるようなポスターを制作しました。1人1枚ずつ作り、見学した施設や市役所に張っていただきました。

自宅の近くなどに空き家が多く、気になっていた

なぜ空き家の活用について探究しようと考えたのですか。

山本 私の自宅の近くに管理されていない空き家があり、風が吹くと壊れたりするのではないか心配でした。また、内装やリノベーションに興味があったので、空き家について調べようと思いました。

田中 私の自宅の近くも空き家が多くて。将来リノベーションをしてみたいなとも思っていたので、空き家について学ぶことにしました。

嵯峨根 私も家の内装やリノベーションに興味があったので。テレビなどで空き家をリノベーションして活用している事例を見て、探究してみたくなりました。

谷口 僕もテレビで空き家を図書館として活用する取り組みを見たのがきっかけです。自宅の近くの空き家のことも気になっていて、何か活用する方法がないかなと考えていました。

空き家をリノベーションした施設の見学では、どのようなところを回ったのでしょうか。

山本 複合施設「まちまち案内所」や高校生や地域の方が集まる「roots」(京丹後市未来チャレンジ交流センター)、シェアハウス「益実荘」の3軒です。材木店の倉庫をリノベーションした「まちまち案内所」では、スタッフの方からリノベーションには資金を出す人が必要なことや、耐震性が高い建物でも、隣の空き家が崩れてきたら大変だということなどを聞かせていただきました。

田中 「roots」には、私たちと同じ高校生が探究活動で作ったテーブルがありました。スタッフの方からは「このテーブルを作った生徒たちみたいに、やってみたいことを形にするのがいいんじゃないか」というアドバイスをいただきました。「益実荘」でも、リノベーションに関わった大垣さんから「まずはやってみることが大事。ワークショップで家具を作るなど、なんでもいいからやってみればいいんじゃなか」という話をしていただきました。

材木店の倉庫をリノベーションした「まちまち案内所」
高校生や地域の方が集まる「roots」

リノベーションや移住者の誘致で、空き家を活用する

2023年2月には、峰山高校で探究活動の報告会が開かれました。どのような発表をしましたか。

谷口 空き家には樹木の繁茂や倒壊の恐れ、景観の悪化などの問題があることや、市がまとめたデータを参考に、市内の空き家の状況、移住者向けの支援制度などについて発表しました。市内では空き家が増えていて、市の調査によると、2015年度は755軒だった空き家が、2021年度には1791軒に増加していました。半数以上が、廃屋化または大規模修理が必要な空き家です。

嵯峨根 移住者向けの支援制度としては、移住者が空き家をリノベーションして住む場合、その費用を最大180万円まで補助するという手厚い支援があることを説明しました。

空き家の活用についての探究活動を通して、気づいたことや学んだことを聞かせてください。

嵯峨根 これまで自分が知っていた情報が、表面的なものだったということに気づきました。空き家を減らすためには支援制度などをいろいろな人に知ってもらうことが大切であり、また市内の人だけでなく、改修などで手厚い支援が得られる市外の人にも協力してもらわないといけないということです。

谷口 自宅の近くにある空き家には草が生えていますし、正直に言うと空き家に悪い印象がありました。しかし、実際にリノベーションした建物は想像していた何倍もきれいで、自分が抱いていた空き家のイメージががらりと変わりました。他の人にも伝えたくなりました。

田中 私も初めは空き家に良いイメージがなくて、最終的には取り壊すしかないのかなと思っていましたが、活動を通して「汚い空き家でもリノベーションでがらりと変わるんだな」ということが分かりました。将来は、空き家をリノベーションして住みたくなりました。

山本 私も空き家に対するイメージががらりと変わりました。また、手描きでポスターを制作していた時に、「roots」で出会った地元のデザイナーの方からデジタル技術の活用などのアドバイスをいただいたことで、自分で何でも完結させようとするのではなく、周りの大人にも頼って、感性や考え方をアップデートできたらいいなと考えるようになりました。

インターネットでの情報発信、移住者を増やす取り組みを考えたい

活動の成果を今後、どのようなことにつなげていきたいですか。

谷口 僕たち高校生ができることは限られていますが、いただいたアドバイスを生かしてより多くの人に見てもらえるようなポスターを作ってみたいです。またSNSなどを活用して、空き家についての情報発信をしていけば、少しでも役に立てるのかなと考えています。

嵯峨根 この活動の最終的な課題となったのが、移住者を増やすことでした。ですから、京丹後市に移住してくださった方に、なぜ移住しようと思ったのかを聞くなどして、移住者を増やすための取り組みを考えていきたいです。

この記事に関する目標

  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任つかう責任