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団体 2024.3.29

地域を元気にしようと、低農薬、有機質肥料の野菜を栽培し、加工品を製造。「大変だけど、みんなでやると楽しい」

 京丹後市大宮町の三重・森本地区の住民グループ「まんぐるわ三重・森本」は、両地域の活性化のため、低農薬、有機質肥料の野菜の栽培や、これらの野菜などを使った加工品の製造・販売に取り組んでいます。2023年11月には、農業振興などの取り組みが認められ、「京都府農林水産業功労者表彰」を受賞しました。代表の田﨑由美子さんをはじめとしたメンバーの皆さんに、グループの活動ややりがい、今後の目標などを聞きました。

まんぐるわ三重・森本の皆さん

こだわりの野菜や加工品を「軽トラ朝市」で販売

SDGsは、「11.住み続けられるまちづくりを」、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」など、人々が協力して、持続可能な社会を実現させることを目指しています。まんぐるわ三重・森本の活動について聞かせてください。

田﨑由美子さん 京丹後市の三重・森本地区で、ほとんど農薬を使わずに、有機質肥料を使った野菜や加工品を作っています。メンバーそれぞれの畑で、タマネギやジャガイモ、ダイコン、キュウリなど1年を通して約200種類の野菜を栽培しています。森本地区の農業法人(株)京丹後森本アグリからお借りしている「まんぐるわの畑」では、ラッキョウやこんにゃく芋を作っています。収穫した野菜や加工品は、4月から11月の第三土曜日、12月は第二土曜日に、山陰近畿自動車道京丹後大宮インターチェンジの出入り口付近で開く「軽トラ朝市」で販売するほか、大阪のお米屋さんやレストランなどに出荷しています。

私たちのグループが所属している三重・森本里力再生協議会の活動には、年に数回、龍谷大学(本部・京都市)の学生が参加してくれます。学生には地域の方々と一緒に、生き物調査や田植え、稲刈りを体験したり、まんぐるわとしては野菜の栽培に必要な有機質肥料を原料にした「EMボカシ」や竹チップ作りなどを手伝ってもらっています。

矢野鈴枝さん 加工の代表を務めている矢野です。収穫した野菜を使って、ダイコンやキュウリのしょうゆ漬けやダイコンの甘酢漬けなどを作ります。10月から5月にかけては、メンバーのみんなで協力して手ごねこんにゃくを作ります。お正月の前に地域の方に注文を取りますが、すごく好評です。年々注文が増えていって、現在では年間50キロほど加工しています。「まんぐるわの畑」ではラッキョウを栽培していますが、龍谷大学の学生に協力してもらって収穫し、甘酢漬けにします。(株)京丹後森本アグリのもち米を使ったぼた餅や切り餅、栗おこわ、郷土料理の「丹後ばらずし」なども作っています。

4月から11月の第三土曜日、12月は第二土曜日に「軽トラ朝市」を開催する

京丹後大宮インターチェンジをきっかけにグループを設立

まんぐるわ三重・森本を設立し、活動をはじめたきっかけは何だったのでしょうか。

田﨑 2016年の山陰近畿自動車道開通がきっかけです。少子高齢化が進む中、地域活性化のため、京丹後大宮インターチェンジの東西にある三重区と森本区の住民で野菜を作り、「軽トラ朝市」で販売しようという話になりました。それで同じ年にまんぐるわ三重・森本を設立しましたが、本格的な野菜作りは初めてのメンバーばかりでした。

矢野 野菜作りに関しては全くの素人で。丹後農業改良普及センターの方から野菜作りの基礎、土作りや野菜の育て方、虫が付きにくい方法などを教えてもらいました。

田﨑 農薬をほとんど使わずに、有機質肥料でこだわりの野菜を作ろうということで、各家庭の畑で作った野菜を軽トラ朝市で販売するようになりました。

化学肥料を使わず 有機質肥料やEMぼかし肥料を使う

「おいしかった」「また作ってよ」の声にやりがい

活動を続けていて大変なことは何ですか。

坂田八代美さん 野菜作りのほか、加工にも取り組んでいる坂田です。私の場合、草取りが一番大変ですね。やっと畑の草取りを終えて、2、3日空けて行ってみると、また草が生えています。虫取りも大変です。ポットの苗を植えて、少し経ってから行くと芽を切られています。その繰り返しですね。

田﨑 栽培期間中はまったく農薬を使っていないので、虫がよくつくんですよ。キャベツならアオムシです。割り箸を使って手作業で取り除くんですが、1日に50匹ぐらい取る時もあります。

芦田文代さん 会計担当の芦田です。有機質肥料もゆっくり効くんですよね。隣の畑と比べると、ちっとも野菜が大きくならない。虫がついたら虫だらけになりますし。野菜は可愛いですが、努力が必要です。

逆に、どのようなことにやりがいを感じますか。

坂田 何か1つでも芽を出したり、花が咲いたりするとすごくうれしいですね。

田﨑 大変ですが、楽しいんですよ。家でじっとしているのではなくて、みんなで集まれば会話もできますし。一緒にちらしずしやぼた餅を作っていると楽しいです。軽トラ朝市などで野菜や加工品を買ってくださった方から「おいしかった」「また作ってよ」と言われるとうれしいですね。

芦田 ちょっと形が悪くても、買ってくださった方から「やっぱり新鮮でおいしいね」と聞くとほろりとします。また、最初は畑の土が硬かったんですが、土作りを大切にしてきて、だんだんとふわふわになってきました。大変な時もありますが、みんな定年を過ぎても生き生きとしています。

加工品にも力を入れる

活動成果を、支えてくれる地域の方々に還元したい

活動を通して意識が変わったことはありますか。

田﨑 雑草を刈るなど、環境をきれいに整えていかないといけないなと考えるようになりました。ごみが落ちていたら、地域の中でごみを拾っていこうとも思っています。またある時、お手伝いに来てくれた大学生が「スーパーの形の整ったきれいで安いキャベツよりは、少し高くても農薬を使っていないキャベツを買う」と言ってくれました。地域で活動した経験が生きているのかなと思いうれしかったです。

今後の目標について聞かせてください。

田﨑 野菜作りもそうですが、加工品作りに力を入れていきたいです。例えば、まんぐるわで作っているぼた餅は、(株)京丹後森本アグリの稲木干しのもち米を使いあんこでしっかりと包んだ昔ながらのぼた餅なんですよ。それが地域の方々からの評判も良いので極めたいですね。郷土料理である丹後のばらずしもどんどん作っていきたいです。

そして、まんぐるわの活動の成果をできるだけ地域の方々に還元していきたいです。私たちの活動を支えてくださっているのは、三重・森本里力再生協議会をはじめとした地域の方々ですので。地域の方向けの感謝祭や、お正月用のお餅やこんにゃくの注文取りといった活動を、今後も続けていきたいですね。

この記事に関する目標

  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう